卓上のオーロラ
昨年末よりアンプ作りに没頭している。


c0185653_18214417.jpgこの10年ばかり懸案だった水銀整流管83とSTC 12E1を使ったシングルアンプ。
震災前から計画していて少し厚めの天板を使ったシャーシーの穴あけもあらかた
済んでいたが、あれ以来自分にとって必要以上の出力を持つアンプの価値を
見出せなくて、自作を躊躇していたのだった。

5687を初段とドライバに使い、固定バイアスの12E1をドライブする。
固定バイアスのC電源も高圧電源もそれぞれpチャンネル、nチャンネル
パワーMOSFETを使ったリップルフィルターを介して供給する。
水銀整流管を使う都合上、オン・ディレイタイマーとそれに制御される
パワーリレーは必須だろう。ともかくそれぞれの電源の立ち上げのシークエンスを
厳密に制御する必要があるだろう。

とまあ、そんな考察も出来上がっていたのである。

真空管も入手しており、手を動かすばかりになっていたのだ。
この際だから、とにかく作ってみようと始めた。






c0185653_18240783.jpg途中経過は省くが、とにかく重い重い、半田付けにも手間取った。
もうこの歳ではこれが限界かな。横枠は銘木で作るのを諦め、
桐より柔らかい南洋材で作った。柔らかくて軽いが案外しっかりしている。
オイル仕上げは無理なのでピアノブラックにしようとカシュー塗料を
塗りたくったが、うまく塗れず、大失敗。まるで仏壇アンプの様になった。

まずは傍熱整流管GZ-34を使ってアンプ部を調整した。
立ち上がりが少し不安定。プレートキャップの手前に抵抗と数ターンのコイルを
挟んでパラ止めとした。アマ無線時代以来だね、パラスチック発振なんて言葉。
大型のアンプになると発熱も大きく、時間の経過に伴ってB電圧がじわじわと
高い方に変動する。なんとかせねばなるまいが、夏はちょっとこれも厳しいか。
音のパワー感は相当ありどっしりとした印象を与える。まだ調整途中だが
高音部は少し繊細さに欠けるかもしれない。
逆に聴くジャンルによっては元気な音を響かせる結果となるかもしれない。
ともあれこれからじっくり調整の予定。





水銀整流管83の発光は、実際はこの写真で見るほど明るくはないが、夕方の光の中では静かにぼうっと点り、神秘的だ。
特に今回は高真空度の真空管によく見られる青一色の発光と異なり、プレートの下部から漏れ出す色は
少し緑がかっているのがわかる。
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フェースタイムで5歳になる孫とこの間話していたら「ジイジ、オーロラはどうしてひかるの?」と、突然聞かれ、
一瞬うろたえたが、それはね太陽から風が吹いてくるから光るんだよ、と言ってごまかした。

83から漏れ出す光は、揺らぎこそしなかったが、もう40年も前に北回りの機上から見たオーロラの光の色によく似ている。
あれもこれも時を超えた普遍のソースからの光なのだ。
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# by meltcheese | 2017-02-25 17:00 | 再生装置
EH 6L6GC差動プッシュプル
新年早々に製作完了した”寒夜の四地蔵”の佇まいの1626差動プッシュプル。
寄せ集めのPT3個ででっち上げた電源部は初段FET用〜20mA+32V以外は
ヒーター容量、B電圧容量ともほんの少し余裕が足りないようだが
Epk=215V、一管あたり約25mAを流すことができて、
結果、澄んだ俺好みの音を出している。OPTはタンゴのU-25-8(FE-25-8と同等)


ところで、この回路の出力段は定電流動作をするよう、カソード-アース間に
トランジスタ回路が挟んであり、このエミッタ抵抗を変えることで定電流値を
変えることができる。そうか、すると普通の感度の出力管だったら
初段(ドライバー段)はいじらずにこのままで、簡単にいろいろ出力球を変えて遊べるな
と今更ながらちょっと茶目っ気が起きた。
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                     (別PTからヒータ電源の供給を受けてテストラン中のEL34/6CA7)

そこで、試しにEL34/6CA7、6L6GC、6550とお定まりのパワー管を引っ張り出してきた。
ヒーター容量だけは6L6を使うにしても現状ではどうしても足りないようなので別トランスから供給することにして
とりあえず出力管を差し替えて目論見通りになるかをチェック。フムフムいけそうじゃないですか。


よしよし、それならばとお気に入りの1626は別セットで新たにまた作ることに...、付いていた3PTの電源部を取り外し、
本格的に手持ちの大容量PT、PMC-283を取り付けた。というより電源部を新規に作り変える。
とはいえ、大きいトランス、年寄りには、定数見直し部品外し穴あけと、重い重い、書くほど簡単ではない。

当初@40mAでEL34/6CA7、6L6GCを試した(いずれも三結)。6550はだるま姿の太っちょで、
現状横並びに刺せないのでパス。いずれも特性は同じようになるとのことで気にしないことに。
放出熱を考えてEL34よりとエレハモ製の6L6GCを選択した。とりあえずEpk=250V電流は@50mA。
この6L6GC、真空度は良さそうだが4本のうち1本にバイアスのおかしいのがあるらしく
どうしても前段のトリマーでは零調整がつかず、少し調整範囲を広げざるを得なかった。
4〜5時間ほど連続運転すると室温21℃でシャシー-PTの隙間温度55℃。夏はょっと厳しいか。

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さて、音は?う〜ん...悪くない。パワー 感十分、バランスのいい鳴りっぷり。あまり非の打ち所がない。
だがオレはヘソが曲がっている。
これって昔オレが目指したが、捨てたはずの”大きいことはいいことだ”のいはゆる”おっさんアンプ”に近い音かも、と。
さて、この音は以前とどう違うのか、この音に再び慣れるのが、いいのか悪いのか。

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                     (相変わらず真空管にまとわりつくグロー発光の色はきれいだ)

つくづく思う。真空管アンプってバイクをいぢるのに似ているな〜。
排気量(出力)が変わると映る景色や乗り方まで変わる。
排気量(出力)それぞれに完結するこれだというもっともらしい言い分がある。
あれ!余計なことを思い出しちゃった。
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そろそろ立春。
甲州小梅は今年は正月から一ヶ月ももったが
紅い寒ボケも大きい花が開き続けている。
庭に寒肥を撒いた。

          木がらしや目刺にのこる海のいろ(芥川龍之介)

真イワシの丸干しがうまい季節だ。

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# by meltcheese | 2017-01-29 14:26 | 再生装置
寒の地蔵尊
c0185653_23374541.jpg昨年末から思い立った新ヴァージョンの1626差動プッシュプル製作。
以前作った12AX7A-1626差動プッシュプルはおとなしいアンプだったが
思ったほど高域が伸びず10年経った今では少し不満に感じ、ニ段構成で
初段FET直結ドライブのものに作りかえようとしていた。

計画はしていたもののその間、6J4-1626パラシングルロフチンホワイトアンプ、
T-850の二段重ね6J4-6GA4ロフチンホワイトなどに手を出し、
なかなか進まなかった。
まあストレートにいかないのはいつものことですけど。




年始から暇にまかせてアルミ板に穴を開け始めた。
電源トランスは適当な予備がもう切れてしまった。
そこで手持ちのジャンクトランスから、高圧用、初段FET用、ヒータとマイナス電源用の3つを寄せ集めた構成とした。
今後真空管を変える予定もあるので、こんなのも暫定的にはありかなと。
それでも差動アンプは回路は簡単そうに見えるが実際の部品配置はかなり場所をとるものである。
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出来上がった音は差動アンプ特有の上品でクリアーな音。
高域が突き抜けている。
やはり随分ロフチンホワイトとは違う音がする。
6N6差動PPと同じ傾向だが少しパワーを稼ぐとどうなるかと。
まあ、少し余裕が出てきた感じかな。
低音量でも十分なスケール感と明瞭さを感じるのは差動に共通する特徴なのであろう。



寒の入りになったと思ったら、最近にない寒波の襲来。今日は正月14日どんと祭。
近くの不動尊に正月飾りを納めた。
寒波は厳しく、今日は終日氷点下だった。
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こんな日はあったかい部屋で、真空管アンプに火を灯し、コーヒーを飲みながら「越後三面山人記」なんぞを開く。
流す曲はレオンハルトか。静かなアンプだ。
並んだ1626が雪に埋もれた笠地蔵のように見えてきた。
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# by meltcheese | 2017-01-14 22:32 | 再生装置
あけおめ2017
あけましておめでとうございます。本年も宜しく!!

今年は花芽がたくさんついた甲州小梅の盆栽鉢。
あったかいリビングに昨年のうちに例年より少し早く取り込んだ。
二、三日して繭玉の様に蕾が大きく膨らんだと思ったら
一輪二輪開花してしまった。
温めるのを少しセーブしなくちゃ。う〜んいい香りがする。

暦は寒に入って外では季節相応に寒さを感じるが、今年は暖かい冬なのだろう。

今年も健康第一で!!
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# by meltcheese | 2017-01-06 17:15
おおつごもり 2016
c0185653_2150829.jpgc0185653_21492299.jpg昼のうちに90歳をとうに超えた近くに住む義理父の家に行き、
いつもの様に写真を撮ったあと、年寄り三人で神棚に拝礼し、
ささやかな郷土料理をいただいて年越しを済ませた。

家に戻って夕方、信州から取り寄せた年越しそばが出来上がるまで、
広島の銘酒”まぼろし”を開けて、ちびりちびりと始めた。
”お義父さん(私のこと)吞んでください”と以前頂戴していたものだが、
もったいなくて開けていなかった。
この年の瀬、この年始にいただくのにふさわしい。
横には郷土(クニ)のイカ人参。今年はイカが不漁でいいスルメが手に入らないが
うまいはずだ人参は岡山サラダ農園産。 ちびりちびり。





c0185653_22133219.jpg今年は彼らはタイからシンガポールまで飛んでそこで新年を迎えるそうだ。
まご君は興奮の極致、TVをつけたら紅白をやっていた、とのメッセージ。
あははは、暑い地での新年もまた一興なり。

11月に生まれた新しい孫あかちゃんも日増しに女の子らしく、すくすくと育っている。
日毎にアップしてくれるインスタグラムがこれまた楽しい。

ああ、年越しそばが出来上がったようだ。
SAYONARA 2016!!
みんな良い年を!!!
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# by meltcheese | 2016-12-31 20:54
6GA4 シングルを作る
c0185653_22173193.jpg先日ロフチン- ホワイトで構成した1626パラシングルは、
簡易型である当初の回路を見直してずいぶんしっかりした音を出す様になってきた。
なかなかいいアンプになりそうな気がしている。
しかしまだ進化の途中であり、完成型に落ち着くまでいま少し
定数の変更を楽しんでみたい。


シングルアンプとなると思い出す青春の記憶がある。c0185653_22202622.jpg長町二丁目のSKアパートは一間が上下3世帯ずつ並ぶ、共同トイレの安アパートだった。
学生運動の嵐も去り、世の中は少し落ち着きを取り戻してきた感があったが、
c0185653_22194093.jpg急速に物価の値上がりが続き、社会全体がざわざわとしていた。

大学は相変わらず荒れていて、やる気はとんと起こらなかった。
そんなところに住んで永島慎二の「漫画家残酷物語」や「 フーテン」の世界に浸っていた。
その頃、何かの雑誌で見かけた6AQ8だったか6BQ7Aかのドライブによる
6GA4シングルアンプが無性に作ってみたくなり、珍しくそれに執着して、
TANGO U-808OPT、倍電圧整流用トランスなど喰うに困るような生活をしていた
貧乏学生の俺が、何かから逃げるように高価な部品を集め始めたのだった。



c0185653_22215797.jpgアルミの弁当シャシーを下塗りをして黒色に塗装した。レタリングで文字入れもした。
その音はあまり覚えていないが、格好だけはよかった。
透明アクリル板でケースを作り灯を入れない時は上にかぶせて
その上にメスシリンダーに挿した枯れた芙蓉の萼を飾ったりして悦に入っていた。
それで御多分に洩れず、マルウォルドロンや笠井紀美子、コルトレーンのLPを
聴いていたのだった。今から40余年も前のことである。

ずいぶんと時間が経過したが部品は壊れず今でも残っている。
そうだ思い出の6GA4シングルを復刻してみようかな、と思い立った。
シャーシーはあちこちぶつけて歪んでいるが、今でも使えるはず。
当時はOPTにU-808を使ったがこれは先日作った1626パラシングルに
転用してしまった。そうだ昔、超三結に使った東栄のT-850が4個ある。
これでなんとかなるだろう。
今回もロフチン-ホワイトを採用。ただし2本しかない老体の東芝製6GA4を
気遣ってPWR SW ON後の電圧の上昇が優しくなる様、出力菅とドライバーに
電圧をFETとTRによる二段リップルフィルタを通して供給する。
ドライバーは1626の時にも使った6J4。2段アンプ。
今のところ6GA4には1菅あたり22mA流すことにして
大事に使おうと思っている。
T-850は最終的に二階建て。
10分ほどしてあったまってくるといい音になる。



このアンプ、つけて音を聴いているともう半世紀になんなんとする匂いが蘇ってくる。
それと同時にいろんな記憶も。

明日で2016も終わり。
静かな年の瀬になりそう。
みんな良いお年を!!

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# by meltcheese | 2016-12-30 19:30 | 再生装置
Merry Christmas 2016
みなさま クリスマスですね。
今年は良い年でしたか?
私はとっても良い1年でした。

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# by meltcheese | 2016-12-24 23:02