”ダーリン”アンプと呼ばれるのは出力菅に1626を使ったSEアンプシリーズの総称。 大抵単純な2段アンプで最小限のパーツを使う。 回路的にもオーソドックスな段間コンデンサーで結合するタイプと 直結タイプがいくつかある。 参考にしたのは直結タイプの出力菅パラのモデル、Double SE。 使う1626四本に対しカソード抵抗とカソードコンデンサーが一本。 同じく初段菅8532(ドライバー菅)で使うカソード抵抗も一本、RLで共通。 こんなのでちゃんとまともなステレオの音が出るんだろうか? しかし回路をよく見てみると巧妙に簡略化されたロフチンホワイト。 このままじゃぁNFBはかけられませんな。でも必要とあらば初段カソードを RL分離してしまえば、OPTからカソード帰還をかけられそうだ。 部品点数も少ないので、一丁試してみるか。 電源はオリジナルの傍熱整流管、平滑チョークを使うオールドタイマー型から Di整流、PWR FETをフィルターとしてゆっくり高圧を立ち上がらせる回路に変更する。 なんじゃそうなるとペルケ師の シングルミニワッターの回路と同じじゃぁないか。 今の所、整流以外はオリジナルのまま、ノンNFBで聴いている。 PWR FETの出力側にいれた47μの電解コンのおかげで電源のインピーダンスは十分に下がっているはず。 心配した左右クロストークはどの程度取れているだろうか。 とまれ、OPTにU-808を使ったせいなのか、十分クリアーな高音に加え、久しぶりの豊かな低音。 昔どこかで聴いた三極管シングルの音がしている。ハム全くなし。 狭いリビングだが、それを揺るがすほどのパワー感は久しぶりである。 音量調整用VRを回すと変なガリが出たが VRを替えたら治った。 プレート電流は最大許容損失5Wギリギリのところで1626一本あたり30mA弱流れている、 PWR FETのS側で電圧360V程度。もう少し高いB電圧が欲しいところだ。 利得が少し大きすぎるので、トランス出しUSBDACからの信号をパイ型アッテネータで 10dB近く減衰させている(いづれNFBを...)。 これ;この音、ロフチン-ホワイトの特徴ですよね。 思わぬ展開で図らずもロフチンホワイト回路を作っちゃったことになる。 歪みは差動プッシュより大きいような気がするが 高音部は同様にスッキリ、何より豊かな低音に特徴がある。 少し音を大きくして聴いた方がいい感じ。正直、良い音してます。 これからもう少し色々追い込んで、f特を測ってみよう。 銀杏の黄金色の落葉が敷き詰められた南アルプス市のひと気のない神社の美しい佇まい-黄金神社。秋です。甲府のJazz喫茶"アロマ"の店主Fさん写す。リスペクトを込めて掲載させてもらいました。 #
by meltcheese
| 2016-11-21 20:11
| 再生装置
若い頃からこの類のアンプだけは作るのをちょっと遠慮したいと思っていた。 回路は単純明快で部品数は少ないが、その部品一つ一つは高級品をつかうこと。だとか、 電源には傍熱型真空管で整流を行い、チョーク平滑の400V以上の高圧をつかう。だとか パワー管のカソード抵抗は、40ワット以上の無誘導巻き線抵抗はたまたホーロー抵抗か、 放熱器付きの高価なメタルクラッド抵抗を採用すること。とか。 とにかくその決まりがなんとなく電気消費量無視の物量権威主義的匂いがして敬遠していたのだ。 差し障りがあるなら許してほしいが、ロフチン-ホワイトアンプのことである。 12AX7A-1626の2段構成のペルケ式差動プッシュプルアンプ、10年以上も前に作った。 おとなしい音を出していた。 たすき掛け中和とか色々やったが高域の伸びが物足りなくて、しばらく飾り物にしていた。 5年前の震災で棚から落ちたが曲がっただけで真空管もわれず無事に生き残った。 そんなところが健気で、近作のペルケ式USBDACを通して聴いてみたところ、 意外や上品な高音を出すことがわかった。 しばらくそうして聴いていたが、最近PWR ONの立ち上がりでガサガサ、ゴソゴソと言い始めたので、 いっそ新しい回路で作り直そうかと思い始めていた。 リビングで稼働中の6N6P差動プッシュの品位ある音を習いながら、もう少しパワーが取れたらなどと、 1626でA2領域まで振れる差動プッシュ回路を模索していた。 とすると、ドライバーはやっぱり石ですなあ、そうすると今までのシャーシーは使い回せない。 新たに作らなくてはならないのか..。最近力も根気も無くなって、しんどいな。 と、回路も決まって部品集めが始まってからも、ちょっとこの構成で行くか逡巡していた。 不意に10年ほど前に秋葉の真空管やさんで教えられたサイトのコピーを思い出した。 それはこれがステレオのオーディオ回路なの!?と思うような回路図だったが、1626を買った時 半信半疑で勧められるままにドライバー管8532W/6J4WAも二本買っておいたのだった。 それは SE1626 James DC Double "Darling" Amp というものだった。 回路はよくみてみるとロフチン-ホワイト アンプそのもので、1626のパラシングルロフチン-ホワイトと 呼んでいいものだった。回路が簡単、以前に載っていたU-25x2の位置になんとかU-808x2が載せられる。 12AX7Aソケットがあったところにもドライバー管用7pinMTソケットを取り付けることができる。 カソード抵抗はセメント抵抗10Wの3パラをつかえばいいじゃない。 チョークコイルもやめて2SK3411あたりでゆっくり電圧が上昇する平滑回路を採用すればいいかも...と。 あれほど毛嫌いしていたロフチン-ホワイト 、8532-2x1626SE直結アンプの出来上がりである。 二人目の孫もできて、部屋にカソード抵抗から出る熱のストーブが欲しい季節でもある。 入力信号のあるときにVRを動かすと大きいノイズが出る(入力ないときには無音)のが不思議。 こんな回路でと思われるパワー感が感じられ、ジャズやロックに最適と思われる、結構な音であった。 前の12AX7A-1626のペルケ式差動プッシュプルと外観はほとんど変わらない。 詳細レポートはのちに続く。 #
by meltcheese
| 2016-11-14 18:02
| 再生装置
息子に長子が生まれた。女の子。 母子とも無事。順調な経過であった。 よかったよかった。 これでオレも男孫と女孫一人ずつのじいさんになったというわけだ。 まずはめでたい。 東京の産院まで誕生翌日に駆けつけた。 優しい顔をしてスヤスヤ寝ている。 それぞれ見る人のどこかに似ている。誰かの赤ちゃんの時にそっくりに見える。 それだけで有縁の者に幸せを与えてくれる。 たったの十月十日で、ヒトまでの長い進化をすごいスピードで 突き進みこの世に出現するその神秘を、今更の様に感じる。 奇しくもこの一週間は月の重力の影響を大きく受ける大潮の時、 どうりで産院には生まれたばかりの赤ちゃんが随分たくさんいた。 今月は特に月との距離が満月時にとても近いウルトラスーパームーンだという。 こんなに近いのは68年ぶりだという。 え!?するとオレが生まれた年もウルトラスーパームーンだったのか。 早速、誕生日カレンダーに○印をつけなきゃね。 早く名前をつけなさい。 (11/13写す) #
by meltcheese
| 2016-11-14 13:09
秋らしくないぐずついた日が続く。 庭の花は秋のそれに移り変わっているが、この暦となっても今年は平年より2℃ほど高いとあって、なぜか皮膚感覚としてしっくりしない。午前中に晴れ間が見えたので、アケビツルを取りに山に出かけた。 これをリース様に加工して来年のぶどう鉢の行灯作りの支えにつかうつもり。 雑木の森の中は毒茸ばかりが生えていた。湿気が多くヤブ蚊がまとわりつく。 やはりまだ寒さが足りないのだ。 #
by meltcheese
| 2016-09-24 19:09
|
by meltcheese カテゴリ
全体 心象 街・お店 季節・花 空・雲 ちょっと昔 読書 心に残る音楽 自然・動物 ちょっといいもの 再生装置 アナログディスク 飛行機 バイク・トレッキング ギャグ ともだち 大宰 骨董 震災 フウラン オールドレンズ メルクリンZ ジオラマ 未分類 以前の記事
2018年 05月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
画像一覧
|
ファン申請 |
||